9.27.2009

マイクロソフトでは出会えなかった天職

この本を紹介できることは僕にとって大きな喜びだ。
たぐい稀なるビジネスのセンス、アイデア、現実的な行動力、そして希望に満ちている。
この本を読んで損はないことは、僕が保証します。

原題は、Leaving Microsoft to Change the World(世界を変えるためにマイクロソフトを辞めた)。
年収5,000万円のマイクロソフトのマーケティングディレクターだった著者。
専属の運転手に、オーシャンビューの高級住宅、世界最高峰の優秀なスタッフ達。
どう考えても魅力的な生活をあるとき捨て去って(もちろん葛藤はあった)、
ネパールの子供達に本を届ける活動を始める。



本を読みたくても読めない子供達がたくさんいる。
このブログを読んでいる人はおそらく、本によって自分の世界が広がることをよく知っているはずだ。
比ゆ的にも、現実的にも。途上国においても、読書は職種や年収に直結する。
著者の地道な活動は瞬く間に広まり、現在ではネパールだけでなく世界的な活動になっている。
今や著者はすごい勢いで世界中を飛び回っている。新しいタイプの企業家だ
(その過程はなかなかドラマチックだ。並みの成功物語より遥かにおもしろい)

他の多くの慈善団体と違い、ビジネスマンだった著者は、具体的な成果と、費用対効果をとても大切にする。
寄付者の「自分のお金がどういった成果を生み出すのか?」という疑問に的確に答えることができる。

成果はとにかく凄まじい。
現在のところ、765の学校を建設し、7,168ヶ所の図書室/図書館を設立、
333タイトルの現地語児童書(計280万冊以上発行)、7,132名に女子教育支援プログラム提供、
179ヵ所のコンピューター/言語教室を設立している。


民間団体がこれだけの成果を生み出そうとするのは容易ではない。
また、これらは一方的な支援ではなく、地元住民も何らかの金銭や労力を負担している。
それにより、持続的な教育を地域に根付かせることが可能だという。


多くの人にメッセージをわかりやすく届けて、心を動かし、寄付をしてもらうといったことを持続している、
というだけでも素晴らしい才能だが、よりスゴイのはこの著者の「大きく考えること」だ。
「大きく考えるか、さもなくば、帰れ」というのはマイクロソフトの社風らしい。

最初は1つの図書館建設だったが、もっと大きく考えられないか」と著者は自問自答する。
多くの人から「無理だ」と言われても、聞かない。可能性のある励ましの言葉に耳を傾ける。
そして行動する。
世界には「教育」を待っている子供達がまだたくさんいる。。


そして著者の行動の恩恵を、今日も貧しい国の子供達は、
「教育」という生涯の宝物として受け取っている。


だからこの本は、
こんな生き方もあるのか!と視野を広げたい人、
卓越したビジネスの組織論を知りたい人、
何か行動を起こしたいと思っている人、
そして世界を変えて希望を生み出したい人、
そんな人にぜひ読んでもらいたい。



きっとなにかをするエネルギーが湧いてくる
再度、僕が保証します。


No comments: