11.27.2008

アパレル通販のニーズと距離感

haco.
家にhaco.MENのカタログが届いた。フェリシモの男性カジュアルブランドだ。
たしかウェブ広告を見て、1冊無料で届けるキャンペーンに登録したのだった。

中身はまぁ都会的でソツない、飽きづらいオシャレなアイテム、というところ。
アイテムとモデルから見て、ターゲットは25~35歳男性だろう。


アイテム自体は「ふむふむ・・」といった感じなんだけど、
おもしろいのは定期購入の仕組みだ。


いくつかパターンがあるんだけども、例えば、1度シャツを買うと、



このように毎月、自動的に家に届けるようにもできる。(色違いが届く)
もちろん1回のみ、3回まで、あるパターンをローテーションなど、キメ細かい。

「毎月どんな服が届くか分からないなんて嫌だ!」
「素材やタグを自分で見て選ばないとダメだ!」
なんていうあなたは、ターゲットではない。

こういう仕組みは、
「買い物をする暇がない」
「そこそこオシャレなものをテキトーに届けておいてよ」
「ダサいのは嫌だけど、いちいち買うのはメンドーだな」
「最近は以前ほどショップに行く気がおこらないな」
という、ファッションと自分との距離感を“そこそこ”に置いている
ターゲットを狙っているのだ。
(もちろん、その人も通販だけで服を購入するわけではない)

こういった層をどこまでつかまえられるだろうか。



ちなみに、こういった定期購入の仕組みは、通常、
雑誌、食品(ex. 有機野菜の宅配)、健康食品、化粧品
などによく見られる。


これがファッション、アパレルの分野でうまくいくのだろうか。


けれども、マーケティング的には、ファッション、アパレルというものこそ、
この仕組みに最もフィットしやすいのだ。

通販のよさは、低コストでその顧客一人一人に応じたサービスができる、という点だ。
これは、ワン・トゥー・ワンマーケティングなどと呼ばれている。
例えばアパレルであれば、あらかじめサイズや好みを登録をしておくと、
その顧客に最もフィットしたファッションを選び、届けることができる。

まだ日本ではそういうサービスを見たことはないが、
アパレル通販大国アメリカでは、サイトによっては、
身体の10箇所以上のサイズや、好みをあらかじめ登録しておく。
そうすると、シーズンごとにその人に合わせたファッションをオススメできる、というわけだ。

そんなことが本当にうまくいくのか?
・・うまくいく。
これは実際、リアルの店舗で行われていることとほぼ同じことなのだから。
その証拠に、この仕組みの下ではネット店舗はリアル店舗と同じ返品率を達成している。
(通常、アパレルのネット店舗の返品率はリアル店舗の返品率の2~3倍)

日本では様々な要因から、まだ実現していないが、近い将来に実現するといわれている。



ちなみに、あなただったらこういったサービスを受けてみたいだろうか?
この質問への答えが、あなた自身とファッションとの心地よい距離感を気づかせてくれるかもしれない。


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