11.29.2008

お金で買えない価値がある。MasterCardが世界ビジネス都市度ランクを発表。

MasterCardが、世界のビジネス都市度ランキングを発表しました。
金融とロジスティクスを押さえたロンドンが堂々の1位、2位がニューヨーク、3位に東京がランクしています。
上位はおなじみメンバーが顔をそろえ、全体的には中国、インド勢のがんばりが目立ちます。
経済は確実にアジアの都市にシフトしている様子ですね。


4位のシンガポールが勢いを得ていて、もう少しすると東京を抜かすかも・・



下の図は東京の評価指標別ランキングです。

アジア圏では東京の住みやすさはダントツの1位です。
MasterCardのリポートによれば、住みやすさは「クリエイティブ」を生み出す要素だそうです。

世界的に見れば「東京」とは、
「金融や知的財産、クリエイティビティが高く、ハイレベルなビジネスの拠点だが、
 法律・政策面の不透明さがマイナス要因として存在している都市」
ってところでしょうか。

たまには世界のさまざまな都市を考えてみるのも面白いですね。



11.27.2008

アジア旅行冬の時代 -今こそ旅行チャンス!な4つの理由-

ますます冷え込んできました。アジア旅行。
タイのスワンナプーム国際空港が反政府団体により封鎖されて非常事態宣言が出たり、
インドでテロが起き、邦人含め死者が出たりしています。

観光ビジネスというのはこういうイメージの悪化の影響をモロに受けますから、
今年から来年にかけてアジア旅行は少なからずダメージを受けるでしょうね。


アジアのイメージが非常に悪い今こそ、アジア旅行のチャンスではあります。
今こそ旅行チャンス!な4つの理由。


1.かなり積極的な旅行キャンペーンが打ち出される
アジアにとって観光というのは非常に大きな産業です。
これが冷え込むと国全体に影響が及ぶ一大事です。これに対処できる方法はひとつです。
航空・宿泊各社はかなり積極的な値下げを展開します。国の支援もあるかもしれません。
つまり積極的な値下げキャンペーンが打ち出されることは必至です。


2.現地通貨の価値が下がり、円が強くなる。

(上からタイバーツ、インドルピーの値動き)
基本的なことなんですが、金融危機に政情不安やテロのリスクが重なると、どうしても通貨の価値が下がります。
相対的に円が強くなり、買い物がしやすくなるでしょう。


3.さほど旅行者が多くないので、快適な旅になるでしょう。
旅行会社は今のタイミングで幹事さんに、「今度の社員旅行、インドに行きませんか」と言えません。
また、学生の卒業旅行も、親たちが「絶対ダメ!」とリアクションすることは必至です。
その結果、あらゆる順番待ちが軽減されたり、喫煙者にとってはスモーキングルームが混まずに済みます。


4.意外と安全な旅ができる
現地情勢というのは、日本のメディアが断片的に伝えるほど悲惨でない場合がほとんどです。
また、旅には常にリスクが付きまといます。情報収集こそがなによりも大切です。
一般的にはテロ被害の確率よりも、盗難や病気、現地の警察などによる被害の方が確率が高いです。
またそれらのリスクは、正しい知識があれば確率をグッと低くすることが可能です。


あらゆる状況は、捉え方によってはチャンスかもしれません。



アパレル通販のニーズと距離感

haco.
家にhaco.MENのカタログが届いた。フェリシモの男性カジュアルブランドだ。
たしかウェブ広告を見て、1冊無料で届けるキャンペーンに登録したのだった。

中身はまぁ都会的でソツない、飽きづらいオシャレなアイテム、というところ。
アイテムとモデルから見て、ターゲットは25~35歳男性だろう。


アイテム自体は「ふむふむ・・」といった感じなんだけど、
おもしろいのは定期購入の仕組みだ。


いくつかパターンがあるんだけども、例えば、1度シャツを買うと、



このように毎月、自動的に家に届けるようにもできる。(色違いが届く)
もちろん1回のみ、3回まで、あるパターンをローテーションなど、キメ細かい。

「毎月どんな服が届くか分からないなんて嫌だ!」
「素材やタグを自分で見て選ばないとダメだ!」
なんていうあなたは、ターゲットではない。

こういう仕組みは、
「買い物をする暇がない」
「そこそこオシャレなものをテキトーに届けておいてよ」
「ダサいのは嫌だけど、いちいち買うのはメンドーだな」
「最近は以前ほどショップに行く気がおこらないな」
という、ファッションと自分との距離感を“そこそこ”に置いている
ターゲットを狙っているのだ。
(もちろん、その人も通販だけで服を購入するわけではない)

こういった層をどこまでつかまえられるだろうか。



ちなみに、こういった定期購入の仕組みは、通常、
雑誌、食品(ex. 有機野菜の宅配)、健康食品、化粧品
などによく見られる。


これがファッション、アパレルの分野でうまくいくのだろうか。


けれども、マーケティング的には、ファッション、アパレルというものこそ、
この仕組みに最もフィットしやすいのだ。

通販のよさは、低コストでその顧客一人一人に応じたサービスができる、という点だ。
これは、ワン・トゥー・ワンマーケティングなどと呼ばれている。
例えばアパレルであれば、あらかじめサイズや好みを登録をしておくと、
その顧客に最もフィットしたファッションを選び、届けることができる。

まだ日本ではそういうサービスを見たことはないが、
アパレル通販大国アメリカでは、サイトによっては、
身体の10箇所以上のサイズや、好みをあらかじめ登録しておく。
そうすると、シーズンごとにその人に合わせたファッションをオススメできる、というわけだ。

そんなことが本当にうまくいくのか?
・・うまくいく。
これは実際、リアルの店舗で行われていることとほぼ同じことなのだから。
その証拠に、この仕組みの下ではネット店舗はリアル店舗と同じ返品率を達成している。
(通常、アパレルのネット店舗の返品率はリアル店舗の返品率の2~3倍)

日本では様々な要因から、まだ実現していないが、近い将来に実現するといわれている。



ちなみに、あなただったらこういったサービスを受けてみたいだろうか?
この質問への答えが、あなた自身とファッションとの心地よい距離感を気づかせてくれるかもしれない。


11.26.2008

HERMES オンラインブティックがOPEN


あこれがれのHERMES様から一通のステキなメールが。
【エルメス】オンラインブティック オープン記念商品、というタイトル。



早速、オンラインブティックへとお邪魔しますと、
いつも通りファンタジックなアートの世界が広がっております。


商品点数も絞り込まれていおり、HERMESの世界観を表現するのに
「ちょうど良いサイズ」ではないでしょうか。
オンラインブティックは飽くまでも販売が主目的ではなく、
ブランドストーリーの増強こそが重要、という明確な姿勢が見て取れます。


そんなブランディングの鑑のようなサイトを見回すと、「サプライズ!」という項目が。
クリックすると、あらま、素敵な携帯ストラップ。オンライン限定です(本当かしら)。




これはお友達にプレゼントしても喜ばれるんじゃないかしら、と思い、
「→ご購入」ボタンをクリックしかけたんですが、
¥43,050-というお値段を見て、
「またいつかにしましょう」、と思いとどまったわけでございます。


そして、「このサイトは、癒されるために訪れよう」とつぶやいたのでした。
どうぞエルメス好きの女性の方は、エルメスの世界観をご堪能ください。
これはある種の海外旅行です。




エルメスの歴史についてはこちらをどうぞ

タイ:国際空港閉鎖で観光に大打撃




今世界で最もホットな都市はバンコク(タイ)と言われていますが、
そんなタイの観光にまたしても大打撃です。

バンコクの玄関であり、タイのメインの空港である、
スワンナプーム国際空港が今現在、反政府派によって封鎖されています。
これまであったような(観光客に関係のない)単なるデモではなく、
一国のメインの空港の機能をストップさせてしまうのですから、大ごとです。



大きな地図で見る


タイという国はちょうど今現在、高度経済成長の真っ只中で、
様々な変化を潜り抜けています。経済しかり、政治しかり。


「絵に描いたような悪い政治家」であるタクシン前首相が国民に追われ、
現在ドバイに逃亡中。そのタクシンの親戚の人が現首相ですが、
これまた国民の反感をかなり買っているようでして、
いよいよ年末に向けてクーデターの可能性が高まってきました。



個人的にはタイがよりよい国になると信じていますが、
心配なのはむしろ観光ですね。政治の安定はなにより大切なことですから。
長期的に見ればプラス要因かと思いますが、
少なくとも今年の観光はかなり難しい状況でしょう。


The World Balance

もうひとつブログをつくりました。
タイトルは The World Balance で、
世界の様々な問題を抱えた地域や仕組みについて、
フランクにちょっとずつ知っていこうという趣旨です。

ご興味のある方はぜひご覧ください。


11.24.2008

LAのホットなレズドラマ the L word 『Lの世界』


『Lの世界』っていうドラマをご存知でしょうか?
レズビアンバイセクシュアルの女性達を中心に据えて、その生の有様を描く群像劇。原題は 『the L word』 (ジ・エル・ワード)。この「L」とは "Lesbian" (レズビアン)や"Love"(愛)の頭文字。the L word→The worLdで『Lの世界』と邦題が付けられたとも思われる。舞台はアメリカ合衆国西部の大都市ロサンゼルスR-15指定を受けているため、中学生以下の視聴はできない[1]。シーズン6で終了し、その後アリス役が主人公のスピンオフがインターネット配信で予定されている。 wikipedia
ひとことで言うと、ファッショナブルなレズビアンたちの群像劇です。
たまたまツタヤで借りて見始めたんですが、
ドラマ中のファッションのクオリティや、高い文化度、脚本の素晴らしさには目を見張るものがあります。
(実話を元に描かれている部分が多いとか) とにかくセクシーでゴージャス!


今までこんなホットなレズドラマなかったと思うんですけど、
それ以上にこのドラマ、ある意味、色んな人の意識を変えちゃうんじゃないかな。


そんなドラマ、残念ながら日本にはないですよね・・・。
そこで、日本でこんなドラマが作れない理由を考えてみました。
  1. ファッションセンス (さすがハリウッド。やっぱり発信地)
  2. 文化や個人に対する高い意識レベル (コンテンポラリーアート、性のあり方の自由)
  3. 表現の自由度 (セックス描写、ちょびっとドラック描写)
  4. 制作費 (あの『華麗なる一族』よりもお金かかってると思います)

理由を並べてみて、思わず「がんばれ日本」と言いたくなりますが、
まぁ、こういうドラマが日本でも普通に見られるようになったこと自体が喜ばしいのかもしれません。。
(制作できるようになれば一番いいと思うのですが・・)
ゲイ(同性愛)に対する差別を減らす意味でも、結構こういうドラマとかって重要なんですよね。


ちなみに日本では“ゲイ”という言葉は「男性同士の同性愛」という意味限定で捉えられがちですが、
アメリカでは単に「同性愛者」を指す言葉としても使われます。
以下、ちょっと豆知識。
同性愛=ゲイ、ホモセクシャル
 (男の同性愛=ゲイ)
 (女の同性愛=レズビアン)
異性愛=ヘテロセクシャル、ストレート
両性愛=バイセクシャル


ゲイとかバイって、性的にマイノリティ(少数派)ですけど、個人的なレベルでは、
僕の友達には結構多いこともあって、特に偏見を持ったことはありません。
これはまぁもちろん、個人の感じ方の自由なんで、
嫌悪感ある人はそれはそれでOKだと思います。


このドラマをホットだと思うのは、もちろんレズビアンの人と、
割と性にオープンな人でしょうね。






ハリウッド映画みたいなドバイの超セレブ花火映像(実写です)

今のところ今世紀最大の花火なんじゃないでしょうか。。
今、最もイケイケなドバイにて、11/21(金)にAtlantisというホテルがオープンしました。
現場はドバイの人工島「パーム」。ほら、上空から眺めると、形がヤシの葉みたいでしょ?
セレブたちがこぞって別荘を買いまくってることでも有名な場所ですね。



大きな地図で見る

観光資源を目的として造られた人工島。最終的には100以上の高級ホテルと1400戸以上の別荘、商業エリアから成る一大リゾート地になる。(wikipedia)

さて、オープニングの映像はこちら。18億円のスペクタクルショーをお楽しみください。





そして、肝心のホテルはこれです。超巨大な水槽のアクリルは日本製らしいですよ。




しかし、バブリーですね。文化はあまり感じませんが、とにかく面白そうです。
安い往復チケットだと、大体12~15万円ぐらいでひとっ飛びできますので、
次の休暇にはドバイも旅先候補に入れてみてはいかがでしょうか。


アメリカン・エキスプレス


11.23.2008

ブラジルで格安航空会社(LCC)が立ち上がる。その名はAZUL。

satosyからの情報。(この記事) Thanks!

タイトルにもあるように、ブラジルでLCC(low cost carriar)=格安航空会社が立ち上がりました。
写真の飛行機を持って笑っているオジサンが、デイビット・ニールマン。
アメリカのJet Blueという格安航空会社を立ち上げた人みたいですね。


上記記事によれば、今年12月に第一便が飛ぶという噂です。
社名のAzulはポルトガル語でBlueを意味します。
まずはリオ・デ・ジャネイロ~サン・パウロ間から始まって、ゆくゆくは国際線も手がける計画。
ニールマンがJetBlueでもそうしたように、格安なだけではなく、
革張りシートや機内TVの導入などのアメニティの充実も検討されているとか。

Logo: Azul

僕はブラジルの経済状況とか詳しくないんですが、いくつかの報道によると、
どうやらブラジルの国内線は今、航空会社が10%代の高い成長をしているみたいです。
そこに参入のチャンスを見たニールマン。故郷で錦を飾れるか。
とにかく、このLCCの波すごいですね。LCCに今、勢いがある感じします。

こうして次々LCCが立ち上がっていくことにより、
国と国、大陸と大陸との距離が、どんどん近くなっていきますね。
それこそまさに、多くの人に待ち望まれていることでしょう。



格安航空会社や、世界から見た日本の空の状況については、
がより詳しいです。

11.22.2008

変わりゆく空の旅



福岡~バンコク(タイ)の 航空チケット(片道) = 23,500円
バンコクで食べたヤキソバ  =  30BTH(90円)
旅行で得た出会い = プライスレス


お金で買えない価値がある。


買えるものは、、、なるべく安く!が基本です。


「福岡~バンコク」が片道23,500円も、そこそこ安いと思うけれど、
いやいや、来年、空の旅はもっと安くなります!

少し前のニュースですが、
2009年に日本路線に参入する意向を正式に表明した。
フェルナンデスCEOは「就航記念として東京―クアラルンプールであれば、片道25ドル(約2600円)を打ち出したい」と語った。羽田拡張や茨城空港開港が予定される2010年には運航を本格化。札幌、名古屋、大阪、福岡の主要都市への乗り入れ拡大も検討する。

ついに、アジアの雄、エア・アジアが日本に乗り入れ。がんばって欲しいですね。
日本では認知度ひくいですが、いわゆる「ロー・コスト・キャリアー」と呼ばれる格安航空会社ですね。
こないだ「バンコク(タイ)~プノンペン(カンボジア)」はエア・アジアを使いました。

ネットで決済、チケットはもちろんメールで送られてくる。
徹底的なコスト削減で、預け荷物の数によって料金が違ったり、機内食はオプション。
「必要な人は、必要な分のコストを払ってね」という姿勢なのだ。
なんでもかんでも「いたれりつくせり」の日本勢とはちょっと違う。

タイのスワンナプーム国際空港では、エア・アジアのカウンターに行列が。
アジア系も、ヨーロッパ系も、ものすごく多い。



しかも、先日、「燃油サーチャージを撤廃」と発表。
確実に日本の空に大きなインパクトを与えそうだ。

よく批判されるANAも、JALも、決して努力が足りないわけじゃないだろうし、
「おもてなし」の方向性も、それはそれで楽しいものだとは思う。
ただ、多くの選択肢がある方が、みんな楽しいに決まってる。


海外旅行は、もはや日常。もっと外へ出て行こう!





より詳しい話は、この本をチェック!





おまけ

カッチョイイコマーシャル



ファンが作ったのかな?とにかくユーモラス。

Air Asiaのヒストリー  NOW EVERYONE CAN FLY





11.21.2008

究極のデザートは、完熟フルーツそのものである

タイトルは、僕の敬愛する「午前10時午後3時」という喫茶店のマスターの言葉。
先ほどブログで読んで感銘を受けた。

僕がまだスーパーフルタイムの、“毎日が月曜日”な忙しい仕事をしていた時、
取引先のテレビ局の建物の中にあるその喫茶店で、よくこっそり一息ついていた。
不思議なモンで、そこで紅茶を飲むと、自然と気持ちが落ち着くのだった。

僕は紅茶のことはよく分からないが、
きっとそこにはなにか不思議な魔法があるんだろうと解釈していた。
僕がこっそり行く時間は、いつもちょうど人が居ない時で、
いろいろな話を聞かせてもらっていた。

マスターは元・果物屋。
「どうして(紅茶屋になりたかったのに)果物屋だったんですか?」
「修行です。紅茶のことを分かるには、まずおやつのこと、つまり果物に詳しくないと」
「なるほど」

このほかに、
おいしく紅茶を入れるために1杯用ポットも開発してしまう(特許取得済み)、
ケーキで使うフルーツは自ら厳選し、すべて手作り、
などなど、時間をかけたことをしている。
・・むろん、いわずもがな、本命の紅茶など。


そして訪れる人に、にこにこして、たま~に
「究極のデザートは、完熟フルーツそのものである」
なんてシンプルな名言をポツっともらす。

時間をかけてなにかを得た人の真実は、
大きな声で言う必要がないのだ。


11.20.2008

実存と建築と、教授と。

大学の教授っていうのは、どこかクレイジーだ。
たいがい「自分が正しい」と強く思っているキャラの集合だ。

キョウジュは“教育者”である以上に“研究者”なので、
生徒よりも、自己の内面や研究の対象に没頭するのだ。
学生は甘っちょろく「ただ教えてもらおう」なんて思ってはいけない。
ただ側にいて、感じ、その強烈さに自分からインスパイアされなければ。
キョウジュはそれほど、扱いづらい存在だ。


その男も、強烈に濃いキャラクターだった。麻生総理の比ではない。
マンガにしたら確実に人気キャラとして君臨できるだろう。
ガタイが良く、眼光は鋭い。
パイプをくゆらせ、マフィアみたいにおしゃれなスーツを着こなし、いつも堂々と歩いていた。


建築の授業だが、内容は哲学。それも実存主義だ。
「意味の意味」だとか「“痛み”というの在り方」など語られても、
ほとんどの生徒にとっては子守唄でしかない。
僕もなにかを掴もうとハイデガーという人の『存在と時間』を図書館で借りたが、
1行ごとに眠たくなる本だった。

ただ、誰しもに「このオジサンは違う」と思わせるなにかを持っていた。
ドイツの建築事務所で働き、自らも建築家であった人。
今思えば、本当に“建築そのもの”を研究してたのはあの人だけかな、と思う。
あとの教授は、歴史かプロポーションについてだけうるさかった。


そのキョウジュが、本を書いていると知ったのは、僕が卒業する少し前だった。
ひさびさに構内ですれ違い、僕たちはベンチに腰かけた。

「少しお見かけしませんでしたね」
「少し体調を崩してな・・」
いつになく少し弱気な彼だった。
「そうでしたか。けどもう良くなられたんですね。本を書かれてるとか?」
「ああ、哲学者が建築について語っている部分だけを集めてみようと思ってるんだ」
「へぇ~やっぱり、ハイデガーとかですか」
「そう、実存主義者たちのな」
「それは楽しみですね。いつ頃読めそうですか?」
「そうだな、今年の暮れには完成しそうなんだが・・」
と言って彼は少し笑った。


あれから数年が経った。
つい先日たまたま思いついて、アマゾンで彼の名前で検索したら、
今年の夏に、やっとあの時語っていた本が出版されたようだ。


哲学者の語る建築(中央公論美術出版)

この本は彼の“Late Work”、いわゆる後期と呼ばれる仕事になるだろう。
ほとんどの人にとって興味がない分野で、
しかも難解な内容だということは、読む前からわかる。


だからこそ、僕はこれをとても読んでみたい。


11.18.2008

SPAM MAIL

ホント、多いですよねー。スパムメール。
僕はいわゆる“独自ドメイン”ってやつを持ってるので、まぁたくさんメールが来ます。
99%要らないメール。1日300通は余裕で来ますね(スパムフォルダに入ります)。
ウイルスメールが2~3通。これはソフトが順調にハジいてくれてます。
処理能力をかなり消費するみたいで、
メールの受信中、パソコンがちょっと重たいので、本を読んでいるぐらいです。


先日、サーバの契約を今までとは違う会社に移したんですが、
まぁパッタリと、スパムメールが止みましたね。ほとんど。
1日に80通以内に減りましたし、ウイルスメールは今のところ完璧に来なくなった。
多分、新しく契約した会社の方で勝手にハジいてくれてるんでしょうね。
料金も安くなったし、レンサバ、ちょっとオススメかも。
早く変えればよかったー。

ずっと見過ごしたままの契約とか、ものごと、ちょっと整理中です。
やっぱたまに見直したほうがいいですね。

11.15.2008

BRAND MESSAGE

先日、家にTAKEO KIKUCHIからパンフが届いた。冬コレクション。
カジュアルとフォーマルが別冊で、赤と緑。気分はクリスマス。
いっっつも思うのだけど、どうしてモデルがアジア人じゃないの?
もちろんコンセプトがイギリスだということは分かるんですけど・・・
なんか中途半端。
世界観が伝わってこない。
僕はターゲットが違うかもしれないんですけど、
そのブランドの世界観と、人の心の中にあるイメージとが、
きちんと繋がっていかないといけないんじゃないかなぁ。
その意味で、ちょっと一方的過ぎるんだよなぁ。なににもなりきれいていないというか。


同じ文脈で、というわけじゃないですけど、
今日たまたまエルメスのサイトを見てました。
今年のエルメス、インド推しなんだけど、やっぱりサイトもいいねぇ。
「エルメスの世界」というコンテンツがあるんだけど、素晴らしい。
インディアン・ファンタジーです。
ファンタジーを媒介にして、
インドという素材とエルメスと、人の心の中にあるイメージとが、
きちんと繋がっていくよう意図されています。
きれい。