9.16.2009

人のこころを動かす:セールス編

人のこころを動かす、というテーマについては、さまざまな書籍が発表されている。
有名なのは、、

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
あたりなんだと思う(よく書評されてます)。
人間の行動に影響力をおよぼす項目について6つにカテゴライズし、
それらについてさまざまな実例を挙げながら解説している。
とても社会学的なアプローチをとって説明されているので、
これまで「説得」とか「セールス」という分野に携わったことがなければ
(もしくは携わっていても注意深くなければ)
「目からウロコもの」の気づきが得られるはずだ。



個人的にはややまどろっこしく感じられた。
上記は心理学やセールスの初心者向けには非常に良くできているが、実践向きではない。
なんというか、セールスに携わり、真剣にそのテクニックを日夜研鑽している者にとっては、
“確認”にしか過ぎない(それだってスゴイことだけど)。


これを読んでいるあなたが、もしセールスに携わっていたり、もともと心理学に興味がある人なら、
シュガーマンのマーケティング30の法則  お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは

こっちの方がオススメ。
『影響力の武器』が“理解”だとしたら、こっちは“納得”。
実際にTVショッピングでサングラスを2000万本売った男が言うのだから、説得力もある。
社会学者は果たしてサングラスを2000万本売れるだろうか。
30のテクニックのひとつひとつがなかなか深い。考えさせられ、実践向きでもある。



実はセールステクニックを身に着けるにあたって、
テクニックをカテゴライズすることはほとんど役に立たないと思う。
(理解するのには役立つけど)
テクニックはディティールに宿るからだ。
いわゆるデキるセールスマンは、
呼吸を感じ、視線の動きを感じ、間を感じ、声のトーンや身振り、
それらすべてが調和し、相手に影響することが前提となっている。


もうこれらは究極、文字情報では伝えきれないんだけども、
もし文字でテクニックを伝えるとしたら、それが自らの経験談として書かれているのか、
それとも多少、事柄との距離を置いて客観的に書かれているのかでは、
伝わり方がまるで違ってくる。
読む人にいかにリアリティを持たせることができるかがポイントだから。



そういう意味では、
セールスのテクニックは「誰が」伝えるかが一番大切ではないだろうか。
人のこころを動かす、という作業は、言語化できない要素が多いから。


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